【神戸100カレー】神戸で100店のカレーを食べてみた

イベントレポ
神戸のカレーを100店まわって食べようと2017年1月からスタートし6月くらいに終わるめどを付けていたのに結局のところ11月までかかってしまったんよね。
最初の頃は、知っているお店や好きなお店があるんで毎日食べていけるんだけど、だんだんと知る店が減るし、お勧めのお店の紹介も減ってくる。
それでもなんとか好きなお店やお勧めいただいたカレー店は全部回れた。
そんな神戸のカレーを100店回って気がついたこと、感じたことなどをダラダラと。斜め読みしてくださいな。
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カレー店栄枯盛衰

カレー店を回り始めて思い出したんだけど、「あれ、ここ久しぶりだな。そう言えばここに来たの20年ぶりぐらいかな?」そして「あ、20年前もこんなことやってたわ。」

そうなのだ、20数年前東京勤めから転勤で神戸に来た時に神戸のカレーを知るべく神戸のカレーを食べ歩くことをやっていたんだよね。当時はインターネットも携帯電話も普及しておらず、もちろん食べログなどない時代。カレーの情報と言えば雑誌のカレー特集と口コミ。知り合った人に「カレーはどこのお店が美味しいですか?」と聞いては足を運んでたな。カレーバカは発作ではなく持病なんだよね。

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それにしてもそんな昔からあるカレーが今もみんなに愛されてるのは嬉しい。だが、消えたお店の方が多いのではないだろうか。

2017年1月にこの神戸100カレーを始めたわけだが、その1年の間だけでも開店したお店もあり、そして閉店したお店もあった。神戸100カレーシリーズで掲載したのに既に閉店したお店があるのだ。何回か足を運んだお店もあるので、なんとも残念としかいいようがないね。

欧風とインド

神戸は伝統的に欧風カレーとインドカレーの双璧が存在する。これは前から言ってるんだけど。
旧オリエンタルホテル(1870年)から始まったであろう欧風カレーの伝統は神戸界隈の洋食店のお手本となって神戸っ子を魅了し続けて来たし、真珠貿易商のためのインドカレーも本場インドの味が昔っからある神戸っ子にとっては新しいカレーなどはいらなかったに違いない。昔っからこの完成された二大巨頭があるので、新しいものが必要ないんだろうね。それで新しいカレー文化がなかなか育ちにくいんじゃないかなと。
そして神戸っ子の気質としてコンサバな部分が、あまりチャレンジ精神とか育まないような。
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大阪と神戸

いま大阪ではいや全国的にカレーブームに入ってるようですね。大阪ではスパイスカレーが全盛期を迎えていて今まではマニアックなカレーファンしか行かないようなお店に一般的なカレーファンも通うようになって、平日ランチ時は行列が当たり前のお店がチラホラ散見できる。

またスパイスカレーのお店の新規出店も多い。神戸では少ないがいわゆるマガリ(間借り)スタイルのお店もあるのが特徴的だ。例えば夜は居酒屋さんだけどランチタイムだけはカレー屋さんがやってるとか、平日は定食屋だけど土日だけカレー店だったりと、空間のスキマ時間を有効に使ってスキルを上げたり固定ファンを作ってから新店舗を出すやり方がベーシックになってきている。出店リスクを下げる仕組みができているのだ。

もちろん神戸でもこの間借りで新店舗に発展したお店があり平日から行列ができている。
しかし、稀だ。
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もうひとつ全国的にトレンドとなっているのはスリランカ料理。今や東京の駅弁でスリランカ風ベジタブル弁当というのがあるくらい。
ボクも2年ほど前にスリランカ料理と出会って「これは美味すぎる」ということで勢い余って本場のスリランカに行って毎日スリランカカレーを食べたりスパイスガーデンというスパイスの元になる植物園にまで行ってしまったことがある。
神戸には残念ながらスリランカ料理を食べれるお店は市内に2軒しかない(知ってる限り)。こればっかりは仕方ないのかスリランカ人が少ないのだから。
そんな神戸で急増しているのがネパール系インド風料理店。インドでは見かけないインド風カレーをネパール人が出してるアレである。儲かるからネパール人が集まってきて増えている(神戸のネパール人の人口も増加中)のだろう。スリランカ料理も儲かれば増えるのかもしれない。
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大阪ではカレーイベントも多い。「カレー事情聴取」「カレーEXPO」「口癖はカレー」などそれぞれ年に数回行っている。
神戸は以前から大きなイベントがあったが、残念ながら台風に次ぐ台風という試練に打ちひしがれ、今はほとんど超小粒なイベントのみだ。
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グルメ雑誌などで紹介されたりランキング上位はほとんど大阪のカレーだ。神戸のお店はなかなか紹介してもらえない。
なので、大阪のカレー店と比較すると神戸のカレー店にはお客さんが「いなーい!」のだ。これは由々しき事態だ。
二大巨頭を抱えるカレー都市といっても過言ではない神戸なのに、となり大阪の芝生は青々として見えるのだ。
かと言って、大阪に便乗したり追随するものまた違う。

伝統とアバンギャルド

お店側にはやはり伝統は伝統で守ってもらいつつ、たまには遊びの部分があると面白いなと思っていて、そこが大阪との大きな違いではないかなと。
例えばインド料理というとどこもかしこもカレーとナンとタンドールチキンとサモサのセットみたいな。これってインドの宮廷料理だからインド人もあまり食べない。だから例えば宮廷料理でなくてインドのオカンの味を再現したり、インドの町中の定食屋と同じものを出すのもいいかもしれない。
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欧風でもあえてスリランカ風のプレートにしてカレーとライスの周りにダイレクトにサラダを配置したり、色んな種類のピクルスやトッピングをカラーを考えながら盛り付けると普段の地味なカレーから一転してインスタ映えする一皿になったり。
普段は使わない材料、例えばサバやアジなどの魚類を使ってみるなど。たまにはインド風もやってみるとか。
やはり遊び心とチャレンジ精神を発揮しつつ、商売でもあるけど新しい食文化の面も意識して欲しいなと。
でもそれを支えるのって客側なんですよね。毎度でないにしてもたまには客側も食を好奇心と冒険心をもって臨む。これがないとね。
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おすすめのカレーって

比較的カレーをよく食べてるのでよく「お勧めのカレー店はどこですか?」って聞かれるのがけっこう困る。これって比較的海外旅行してるので「どこの国がお勧めですか?」って聞かれるのと似ている。あなたの趣味嗜好とか今までの渡航経験とか知らないしって感じ。

CoCo壱番屋しか行ったことない人に、普通に自分が思った通りに「どこどこのグリーンカレーいいっすよ。」とか勧めて実際に行ってくれたとしても、美味しいと感じてくれるかどうかかなり疑問(推奨した甲斐がない)。推奨したカレーに対し、その人のスパイス経験値とカレーイメージ力の乖離が激しいと美味しさとかよりショックになってしまうかもしれない。

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カレーと一口で括っても種類が豊富だ。欧風カレー、インドカレー、和風カレー、スパイスカレー、スリランカカレー、ネパールカレー、その他タイカレーや他の国に行くとまだいろいろあるし、そもそもカレーの定義がどこまでなのかも分かりにくい。それを突き詰めるとカレーの語源の話になってしまうのでここでは割愛。

本来チキンカレーとビーフカレーではルーの味が全然違う。もちろんスパイスが違うからだ。つまり同じお店でもカレーの種類によってカレーの味が違う(逆にルーが全て同じチェーン店は手間も材料も省けて儲かる)。だからお勧めのお店を店の名前だけで勧めるのは情報として不足になってしまう。

「うんうん、お前の能書きはわかったから、はよ推奨を書かんかい!」

はいわかりました。すんません。

ボクなりに好きなカレーを絞りに絞ってピックアップしました。

「一回くらい食べただけでウチの店の何がわかるんや~」と怒られそうだけど、少なくとも分かることが1つあります。それはボクの好みかどうか。ですのでピックアップはあくまでもボクの好みです。

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【インド系】

閉店●神戸マハル ボクはここの野菜カレーが好き。

インドクラブ 水曜と土曜しかやってなくて水曜は北インド。ボクは土曜の南インドが好き。

ラジャ マトンカレーを食べたのですが別格。

【欧風系】

閉店●Sketch  神戸の欧風では三本指。

あゆむんや 神戸らしさを兼ね備えた先進的カレー。欧風あいがけにチャレンジすべし。

【その他の地域系】

カラピンチャ スリランカを忠実に再現し続ける店主の探究心とファイトに脱帽。

kukuri 神戸では本格的なネパールダルバートが食べれるのはココだけ。山羊のダルバートがお勧め。

【スパイスカレー創作カレー系】

サトナカ本店 大阪のスパイスカレーとかとはだいぶ違う超シンプルチキンカレーだが奥深さがスゴい。

ロクヨンカレー 神戸でスパイスカレーといえばココ。週替りも注目。

【今後の発展に期待】

GASA 薬膳カレーというだけあってスパイスの量が半端なかったガッサラムキーマカレー美味かった。

鐵道カフェ&カレー 食材に気を使い有機野菜やオーガニックスパイスを使ったカレー。キーマが好き。

閉店●アディクト 2017年女性シェフが元町にオープンした新星。キーマ美味し。

もっと載せたいけど、100店回ってピックアップとか言って既に12店舗も載せてちゃダメですな。今後はしばらくウィニングラン的に上記のお店や他にも美味しかったお店もあったので回ってきます。

一緒にカレーパワーミーティングしましょう!

自分にとってのカレーの効用

カレーを日常的に食べることによって、まずダイエットできている。やっぱスパイスによる新陳代謝がよくなることからかな。かと言ってよく家で作るルーは気をつけて欲しい。あのルーは油脂と小麦粉の塊なので。インドカレーなどが良いがナンと一緒に食べるとまたグルテンの摂取しすぎになるので南インドがいいんだと思う。実際カラダが軽くなったかな。

そしてよく言われるのが「お肌がきれい」と。オッサンがそんなこと言われても気にもしてないので嬉しくもないが、まんざらでもない。

スパイスに詳しくなると共にアジア圏の旅の食事がもう一層面白みが増した。

クリハラがカリーハラと呼ばれるようになった。

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未来の神戸カレー

 あれだな、神戸の伝統を保持しつつ新しいことにもチャレンジしてほしいということで、欧風カレーとインドカレーのあいがけが神戸スタイルとして神戸ご当地カレーになっていったら面白いかな。

これはできれば、欧風カレー店とインドカレー店がコラボして味がケンカしないカレーを模索するのがいいな。これなかなか難しいと思うけど、どこもやってないからやってみる価値はあると思うね。

神戸のご当地カレーは欧風カレーとインドカレーのあいがけでキマり!ご当地カレーはね。

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